【４月の行事】穀雨とは？意味・由来・過ごし方を徹底解説

「穀雨（こくう）」は、二十四節気のひとつで、春の終わりを告げる重要な節目です。

春の柔らかな雨が大地を潤し、穀物や植物の成長を助ける時期とされています。「穀雨」の言葉には「穀物を潤す雨」という意味が込められています。

毎年、穀雨は4月19日から5月4日頃にあたり、田畑が潤い、種まきや田植えが本格化する重要な期間です。

この時期は、春の終わりと初夏の始まりが重なるため、季節の移ろいを肌で感じることができます。

また、気候が安定し、農作業には最適な日和となることが多いのも特徴です。穀雨は、農家にとっては恵みの雨であり、古くからこの節気が重んじられてきました。

さらに、私たちの生活にも影響を与え、旬の食材や植物の成長、自然の変化を楽しむ季節でもあります。

穀雨の意味と由来

「穀雨」は二十四節気の一つであり、立春から数えて6番目の節気にあたります。

この名称は、農作物にとって必要不可欠な春の雨が降る時期であることから名付けられました。古来より、農業は天候に大きく依存しており、春の雨が穀物の成長にとって非常に重要とされてきました。そのため、「穀雨」は五穀豊穣を祈る意味合いも持つ節気とされています。

また、「穀雨」の次には「立夏（りっか）」が控えており、暦の上では春から夏へと移行する時期とされています。

この変わり目には、自然界にも多くの変化が見られます。草木は青々と茂り、花々は美しい花を咲かせる時期です。

穀雨は、日本だけでなく、中国の古い暦にも見られる節気です。古代中国の天文学や農業知識が日本に伝わり、二十四節気として定着しました。

農業国である日本にとって、穀雨は田植えや種まきなど、次のシーズンへの準備期間として欠かせない重要な節気なのです。

穀雨の時期は、春の雨が穀物や植物を潤し、自然界に多くの恵みをもたらします。4月下旬から5月上旬にかけては、次のような自然の変化が見られます。

花の見頃
穀雨の時期には、牡丹、チューリップ、藤など、春の花々が一斉に咲き始めます。特に牡丹は「花の王」とも呼ばれ、その豪華な花姿が人々を魅了します。
旬の食材
この時期には、タケノコが旬を迎えます。タケノコご飯や土佐煮など、家庭料理でも広く親しまれています。また、春キャベツや新玉ねぎも美味しい季節です。
動物や虫の活動
穀雨の頃には、水辺ではカエルの鳴き声が聞こえ始め、昆虫たちも活発に活動するようになります。自然界が賑やかさを増す時期です。

穀雨は農作業に適した時期であり、田畑に出る人々も増えます。穀雨の雨は「恵みの雨」として、農作物の成長を助ける大切な役割を果たします。

穀雨の期間中には、さらに細かく分けられた「七十二候（しちじゅうにこう）」があります。

穀雨は以下の三つの候に分けられ、それぞれに季節の特徴が表れています。

初候：葭始生（あしはじめてしょうず）（4月19日頃）
- 水辺に生える葭（あし）が芽吹き始める頃です。春の雨が水辺の植物に命を吹き込む時期です。
次候：霜止出苗（しもやみてなえいずる）（4月25日頃）
- 霜が降りなくなり、苗代で稲の苗がすくすくと成長します。農家にとっては大切な準備期間です。
末候：牡丹華（ぼたんはなさく）（4月30日頃）
- 豪華な牡丹の花が咲く時期です。「花の王」とも呼ばれる牡丹の美しさは、この季節の象徴とも言えるでしょう。