【6月の食材】6月の旬食材・枇杷(びわ)の歴史と主な産地3選
6月の旬食材である枇杷(びわ)は、爽やかな甘みと柔らかい食感が特徴の果物です。
昔から日本人に親しまれ、特に初夏を象徴する果物のひとつとして知られています。
枇杷はそのまま食べても美味しいですが、ジャムやコンポートに加工されることも多く、健康効果も期待できる果物です。
本記事では、枇杷の歴史や由来、主な産地3選、特徴や栄養価、選び方・保存方法、おすすめの食べ方について詳しく解説します。旬の時期にぜひ美味しい枇杷を味わってみてください。
枇杷の歴史と由来
枇杷の起源
枇杷の原産地は中国とされており、古くから中国南部を中心に栽培されていました。
日本には奈良時代(8世紀頃)に伝わったとされ、当時は果実を食べるためではなく、薬用植物としての利用が主でした。
中国では、枇杷の葉を使った漢方薬「枇杷葉湯(びわようとう)」が咳や喉の痛みに効くとされ、日本でも同様の薬効が重視されました。
枇杷の日本での広まり
日本では、平安時代から貴族の庭園で栽培されるようになり、江戸時代には庶民にも広く普及しました。
特に、長崎県の茂木(もぎ)地区での栽培が盛んになり、「茂木びわ」として全国に広まりました。明治時代には、品種改良が進み、現在のような甘みの強い枇杷が誕生しました。
現在、日本国内では温暖な地域を中心に枇杷の栽培が行われており、長崎県、千葉県、鹿児島県、愛媛県などが主要な産地として知られています。
枇杷の主な産地3選
枇杷は温暖な気候を好むため、日本では主に西日本や太平洋沿岸地域で栽培が盛んです。
ここでは、日本国内の代表的な枇杷の産地を3つご紹介します。
① 長崎県(茂木びわ)
長崎県は、日本一の枇杷の産地であり、特に茂木(もぎ)地区で栽培される「茂木びわ」が有名です。
この品種は、明治時代に中国から持ち込まれたものを改良してできたもので、果実が大きく、柔らかい果肉と強い甘みが特徴です。
茂木びわの特徴
- 果実が大きく、みずみずしい
- 強い甘みと程よい酸味のバランス
- 日持ちはやや短め
② 千葉県(房州びわ)
千葉県の房総半島南部では、「房州びわ」が栽培されています。
千葉県は、温暖な気候と海風の影響で糖度の高い枇杷が育つ環境に適しており、全国でも有数の枇杷の産地です。
房州びわの特徴
- 甘さが際立ち、果肉がしっかりしている
- 果皮が薄く、舌触りが滑らか
- 出荷時期が早く、5月下旬から市場に出回る
③ 鹿児島県(南国びわ)
九州地方では、鹿児島県でも枇杷の栽培が盛んです。
温暖な気候と豊かな土壌のもと、「南国びわ」と呼ばれる品種が育てられています。
南国びわの特徴
- 果実が大きく、甘みが強い
- 皮が柔らかく、口当たりが良い
- 収穫時期が比較的遅く、6月下旬まで楽しめる
枇杷の特徴と栄養価
枇杷は見た目の美しさだけでなく、栄養価の高い果物としても注目されています。
枇杷の栄養素
- β-カロテン(抗酸化作用があり、肌や目の健康に良い)
- ビタミンA(免疫力向上、皮膚や粘膜の保護)
- カリウム(高血圧予防、むくみ解消)
- 食物繊維(腸内環境を整え、便秘解消)
また、枇杷の種にはアミグダリン(ビタミンB17)が含まれており、民間療法では抗がん作用があると言われていますが、摂取には注意が必要です。
枇杷の選び方と保存方法
美味しい枇杷の選び方
- 色が濃く、オレンジがかったもの
- 皮にツヤとハリがあるもの
- 軽く触って弾力があるもの(柔らかすぎると傷みやすい)
保存方法
- 常温保存:数日以内に食べる場合は風通しの良い場所で
- 冷蔵保存:長持ちさせたい場合は、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ
- 冷凍保存:皮を剥いてカットし、ジップロックで保存(1ヶ月ほど)
5. 枇杷のおすすめの食べ方
枇杷はそのまま食べるのが一般的ですが、以下のようなアレンジもおすすめです。
枇杷のコンポート
材料
- 枇杷 10個
- 砂糖 100g
- 水 200ml
- レモン汁 大さじ1
作り方
- 枇杷の皮を剥き、種を取り除く
- 鍋に水と砂糖を入れ、中火で加熱
- 枇杷を加え、弱火で10分煮る
- 火を止めてレモン汁を加え、冷やす
ヨーグルトやアイスクリームと相性抜群です。
まとめ
枇杷は、6月が旬の美味しい果物であり、歴史や栽培の背景も奥深い果物です。
主な産地である長崎県、千葉県、鹿児島県の枇杷は、それぞれ異なる特徴を持ちます。
美味しい枇杷を選んで、旬の味を楽しんでみてください。
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