【7月の行事】ほおずき市の魅力と歴史|浅草寺の風物詩を解説
はじめに:7月の風物詩「ほおずき市」とは?
7月といえば、日本の各地でさまざまな夏の行事が行われます。その中でもひときわ風情を感じさせるのが「ほおずき市」です。
特に東京・浅草寺で開催される「四万六千日(しまんろくせんにち)」の縁日は、ほおずき市とともに古くから多くの人々に親しまれてきました。
この日に参拝すれば、一生分の功徳があるとされる特別な日で、毎年7月9日と10日に浅草の町が活気に包まれます。
この記事では、「ほおずき市」の起源や由来、なぜ日本各地に広まったのかといった歴史的背景から、見どころや楽しみ方までをわかりやすく解説します。
浅草寺で行われるほおずき市とは
浅草寺のほおずき市は、毎年7月9日と10日に開催されます。特に注目されるのが「四万六千日」という功徳日で、この日にお参りすると46,000日分のご利益があるといわれています。
これはなんと約126年分に相当する功徳。江戸時代から人々が殺到するほどの人気を誇ってきました。
浅草寺の境内には多くの露店が並び、鉢植えのほおずきや風鈴などが売られ、夏の訪れを感じる風情ある光景が広がります。参道を歩くだけでも気持ちが華やぎます。
ほおずき市の起源と歴史
ほおずき市の始まりは江戸時代中期、明和年間(1764年〜1772年)にまでさかのぼります。
当時、東京・芝の愛宕神社では「四万六千日」の縁日にあわせてほおずきを売る市が立ち、「ほおずきの実を水で丸呑みすれば、大人は癪を切り、子供は虫気を鎮める」という民間信仰が生まれました。
この信仰が浅草寺にも伝わり、境内での「ほおずき市」として定着。現在のような大規模な市へと発展していきました。
現代でも浅草寺の象徴的な行事として、多くの人々が訪れています。
全国に広まった理由とは
ほおずき市が全国的に広まったのには、いくつかの理由があります。
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四万六千日という特別な功徳日に参拝すると、一生分のご利益があるという強い信仰心
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ほおずきの実に薬効があるとされ、病除けや健康祈願の対象として親しまれてきたこと
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7月がちょうどお盆前で、盆棚の飾りとしてほおずきが使われるため、季節需要が高まること
これらの背景が重なり、ほおずき市は全国の寺社にも広がっていったのです。ほおずきは見た目の美しさもあり、多くの人に愛される植物となりました。
夏の風情を感じる見どころ
浅草寺のほおずき市では、夏らしい雰囲気をたっぷり味わえます。以下のようなポイントが特に人気です。
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鮮やかな赤いほおずきの鉢植えが並ぶ景色
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チリンチリンと鳴る風鈴の音色が心を落ち着かせてくれる
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露店の数は100軒以上。昔ながらの屋台グルメも楽しめる
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雷除けのお守り「雷除札」も授与され、厄除けにもご利益あり
とくに「雷除札」は、赤とうもろこしの不作に伴って生まれた浅草寺独自のお守りです。竹串に三角の札を挟んだ形で、現在も多くの人に授与されています。
文化としての価値も高い行事
浅草寺のほおずき市は、単なるお祭りではなく、江戸時代から続く歴史と信仰を今に伝える文化行事でもあります。
地元住民にとってはもちろん、日本の伝統文化に関心を持つ外国人観光客にとっても大きな魅力となっています。
現地でしか感じられない空気感や、昔ながらの情緒は、ほおずき市の最大の見どころです。
子どもから大人まで楽しめる、まさに日本らしい夏のイベントと言えるでしょう。
まとめ:夏の思い出にほおずき市を訪れよう
「7月 行事 ほおずき市」は、日本の伝統的な信仰と生活文化が息づく貴重な行事です。
特に浅草寺の四万六千日は、一度訪れるだけで夏の記憶に深く残ること間違いなし。赤いほおずきの鉢や風鈴の音に包まれながら、日本の夏の情緒を全身で感じてみてください。
2024年も7月9日・10日に開催予定ですので、ぜひ予定を合わせて足を運んでみてはいかがでしょうか。
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