【8月の行事】盆飾りとは？定番から地域の違いまで完全解説

お盆の季節になると、ご先祖様を迎える準備として「盆飾り」を行うご家庭も多いのではないでしょうか。

この記事では、盆飾りの基本や意味、地域による違い、精霊馬の作り方まで、はじめての方にもわかりやすく解説します。

盆飾りとは？8月のお盆行事との関係

お盆は、日本で8月に行われる伝統的な先祖供養の行事です。この時期に行う「盆飾り」は、ご先祖様の霊を迎え入れるために家の中を整える大切な準備のひとつです。

そもそもお盆とは、正式には「盂蘭盆会（うらぼんえ）」と呼ばれ、亡くなった方々の魂が一時的に家へ帰ってくるとされる期間のこと。

多くの地域では8月13日から16日までの4日間行われます。

盆飾りには、仏壇や精霊棚（しょうりょうだな）を設置し、提灯や供物、線香を用意するなど、霊が迷わず安心して帰ってこられるような工夫がなされています。

これにより、家族が一体となって先祖を敬い、感謝の気持ちを伝える機会となるのです。

初めて盆飾りを準備するという方でも、基本的なものを用意すれば十分です。気持ちがこもっていれば、飾りの豪華さよりも真心が何より大切です。

以下が一般的な盆飾りの基本セットです。

仏壇がない場合は、小さなテーブルに白布をかけて供物を並べるだけでも立派な精霊棚になります。

提灯は紙製のものもあれば、最近はLED式も人気です。供物は腐らないものを選ぶと衛生的です。

盆飾りの風習は、地域によって少しずつ異なります。特に「旧盆（旧暦）」か「新盆（新暦）」か、また使う道具や習慣に違いが見られます。

【関東地方】

【関西地方】

【沖縄・奄美】

このように、風土や文化背景により盆飾りのスタイルは多様です。自分の家系や地域の風習に合わせた盆飾りを選びましょう。

盆飾りの中でも、ユニークで子どもたちにも人気なのが「精霊馬（しょうりょううま）」です。これは、きゅうりとなすを使って馬と牛を表現する飾りで、それぞれに意味があります。

作り方はとても簡単。きゅうりやなすに割り箸を4本さして足にするだけ。精霊棚のそばに置いておくと、目にも楽しく家族での会話のきっかけにもなります。

また、提灯には霊が迷わず帰ってこられるようにと灯りをともし、迎え火や送り火は霊の出入り口を示す役割を担います。火を使うことが難しい住宅事情では、キャンドルやLEDライトを使うのもおすすめです。

盆飾りは、準備・設置・片付けまでが一連の行事としてとても大切です。飾り方に明確なルールはないものの、一般的な流れを押さえておくと安心です。

【飾り付けのポイント】

【片付けのタイミング】

火を扱う際は、近隣への配慮も忘れずに。最近では自治体によって屋外での焚き火を禁止している場合もあります。

事前に自治体のルールを確認しましょう。

盆飾りは、ご先祖様をお迎えし、感謝を伝えるための日本の大切な文化です。かたちにこだわるよりも、気持ちを込めて準備することがなによりも大切です。

家族で協力して盆飾りを用意すれば、自然と心が一つになり、世代を超えて文化がつながっていきます。今年のお盆は、ぜひ盆飾りを通じて、ご先祖様との心の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。