【8月の食材】夏の味覚「飛魚(とびうお)」を美味しく食べる知恵
はじめに|夏の魚・飛魚(とびうお)の魅力とは?
8月といえば、暑さとともに食欲も落ちがちな季節。そんな時におすすめしたいのが「飛魚(とびうお)」です。
海面から大きく跳ねて滑空するその姿は夏の風物詩とも言えますが、実はこの時期にこそ味わいたい旬の魚なのです。
飛魚は脂が少なく淡泊な味わいで、どんな調理法でも美味しく食べられます。さらに、DHAやEPAなどの栄養も豊富で、健康維持にもぴったり。
本記事では、飛魚の旬・産地・栄養・選び方・調理法まで、余すことなく解説します。
飛魚とは?|見た目・特徴・分類
飛魚はトビウオ科に属し、世界には40種以上が確認されています。
その名のとおり、海の上を翼のような胸びれを使って滑空するのが特徴で、日本近海でもよく見られる魚です。
基本データ
項目 | 内容 |
---|---|
和名 | 飛魚(とびうお) |
英名 | Flying fish |
主な分布 | 九州〜関東沿岸、日本海側、南西諸島など |
特徴 | 青銀色の体、長い胸びれ、透明感ある白身 |
食用部位 | 身・骨(出汁)・干物加工 |
地域によっては「アゴ」とも呼ばれ、出汁の材料「焼きあご」としても有名です。
8月の旬食材|飛魚の旬と産地
飛魚の旬は一般的に6月から8月。特に日本海側や九州地方では、8月も“夏とび”と呼ばれる美味しい個体が水揚げされます。
水温が安定するこの時期、飛魚の身は引き締まり、脂の乗りも控えめでさっぱりとした食味が楽しめます。
主な産地と旬の時期
産地 | 旬 | 特徴 |
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長崎県 | 6〜8月 | 焼きあごの原料として高評価 |
鹿児島県 | 7〜9月 | 鮮魚から干物まで幅広く加工 |
千葉県 | 6〜7月 | 刺身や塩焼き用として出荷 |
山口県 | 6〜8月 | 日本海側の代表的な水揚げ地 |
「旬の食材百科」や漁協公式ページでも、飛魚の旬は6月〜8月と明記されています。特に長崎では“あご祭り”が開催されるなど、地域色の濃い食文化もあります。
飛魚の栄養|実は健康にも嬉しい魚
飛魚は、低脂肪で高タンパクな白身魚。健康志向の方やダイエット中の方にもおすすめできます。
さらに、DHA・EPAなど、青魚系の栄養も兼ね備えています。
飛魚に含まれる主な栄養(100gあたり)
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タンパク質:約20g
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脂質:約1.4g
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カルシウム:約40mg
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DHA:約400mg
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EPA:約300mg
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ビタミンB12・ナイアシンも豊富
期待できる健康効果
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脳の活性化・集中力アップ(DHA)
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血液をサラサラに(EPA)
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筋肉の維持・修復(高たんぱく)
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疲労回復や貧血予防(ビタミンB群)
栄養面だけでなく、食感も軽やかなので、小さなお子様や高齢者にも食べやすい魚です。
飛魚の選び方|鮮度チェックと保存のコツ
せっかくなら、新鮮で美味しい飛魚を選びたいですよね。スーパーや魚屋さんでの見分け方をご紹介します。
鮮度の見分けポイント
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目が透き通っている → 濁りは劣化のサイン
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体表が青銀色でツヤがある
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お腹がふっくらしている → へこんでいたら鮮度低下
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臭みが少ない → 生臭さが強いものは避ける
保存のコツ
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冷蔵保存:内臓を除去し、2日以内に調理
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冷凍保存:ラップ+ジップで約2週間可
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干物にすれば冷凍で1ヶ月以上も保存可能
飛魚の食べ方|おすすめの調理法
飛魚はシンプルな調理法で旨味を引き出せる魚。刺身や塩焼き、煮付け、干物、そして“あごだし”としても楽しめます。
刺身|鮮度が命!とろける旨味
新鮮な飛魚が手に入ったら、ぜひ刺身にしましょう。身に透明感があり、もっちりとした食感が絶品です。
刺身にする手順
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鱗と内臓を取り除く
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背開きにして中骨を取り除く
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薄切りにし、ポン酢やわさび醤油で
※骨が多いので注意!骨抜き必須です。
焼き物・煮物・干物|調理も簡単で美味
加熱すると香ばしさが増し、身の甘味が引き立ちます。
おすすめ料理
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塩焼き:軽く塩をふり、両面をしっかり焼く
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煮付け:醤油・みりん・酒・砂糖で甘辛く
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干物:一夜干しで旨味を凝縮、焼いてそのまま
冷凍保存もできるので、まとめ買いにも向いています。
出汁としての飛魚|「焼きあご」の実力
飛魚を炭火で焼いてから干したものが「焼きあご」。
長崎や山陰地方で昔から親しまれてきた高級出汁素材で、雑味が少なく、澄んだ味わいが特長です。
用途
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お味噌汁や煮物のだし
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あごだしラーメンのスープ
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雑煮・おでん・茶碗蒸しにも◎
スーパーや通販でも手に入ります。
まとめ|8月は飛魚を味わう絶好のタイミング
飛魚は、見た目にも夏らしい爽やかさがあり、栄養面でも優秀な魚です。
8月は「夏とび」の時期で、身が引き締まり、さっぱりとした味わいを楽しめます。
ポイントおさらい
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旬は6〜8月、特に長崎や鹿児島で多く水揚げ
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DHA・EPAなど健康成分が豊富
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刺身・塩焼き・干物・出汁など多彩な調理が可能
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鮮度の見極めと保存が美味しさのカギ
ぜひこの夏、旬の飛魚を味わってみてください。
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