【コメ価格崩壊の危機!?】「4000円以下」じゃないと買い控え止まらず!新米豊作でも高値続行の理由とは
とりコレ3行まとめ
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今年の新米は「需要を10〜40万トン上回る生産見込み」で在庫も10年ぶりの高水準に回復する見通し。
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それでも小売価格は5kgあたり4000円超が当たり前で、消費者の買い控えが止まらない。
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「4000円以下」が心理的なボーダーライン。流通や政策にメスが入らないと価格低下は難しい状況。
米余りなのに“高すぎる”!? 消費者が声を上げる「4000円の壁」
「お米って、昔はもっと安かったよね?」
そんな声があちこちで聞かれるようになりました。
農林水産省の最新の需給見通しによると、今年の新米は需要を大きく上回る豊作で、さらに民間在庫も10年ぶりに高水準まで回復するといいます。
つまり、米は「余っている」状態になるはず。
それにもかかわらず、スーパーで売られている米の価格は5kgで4000円を超えるケースがほとんど。
主食である米がこの価格帯のままだと、消費者の買い控えはますます加速していくでしょう。
この記事では、なぜ「4000円以下じゃないと買い控えが止まらない」と言われるのか、その理由や背景を整理しつつ、今後の価格動向を探っていきます。
コメの需給見通し ― 豊作なのに値下がりしない矛盾
まずは前提として、農水省が示した最新の需給見通しを見てみましょう。
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生産量:令和7年産の主食用米は需要を10〜40万トン上回る見込み。
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作柄:全国的に天候が順調で、多くの地域で収量が前年を上回る予想。
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在庫:民間の米在庫は10年ぶりに高水準まで回復。
一見すると「供給が増えて余っている」状況です。通常なら、需要より供給が多ければ価格は下がるはず。しかし現実には下がっていません。
なぜでしょうか?
「4000円の壁」が象徴する消費者心理
消費者が「米は4000円以下じゃないと買わない」と感じる理由には、以下の背景があります。
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家計直撃のインパクト
米はほぼ毎日食べる主食。パンや麺に代替できるとはいえ、「毎日買う食品ではないからこそ、まとめ買いの出費が重い」と感じやすい。 -
心理的ボーダーライン
例えば、5kgで3980円なら“ギリギリ買う”。でも4080円なら「ちょっと高い」と感じてしまう。数百円の差でも、心理的には大きいハードルになる。 -
他食品との比較
パンやパスタなど他の主食は値上げが続いているものの、依然として“安く買える選択肢”が多い。米だけが突出して高いと、「じゃあ別の主食に切り替えよう」となりやすい。
つまり、「4000円以下」という数字は、消費者にとっての“納得感のある価格”なのです。
価格が下がらない理由 ― 豊作でも高止まりするカラクリ
「余っているのに下がらない」。その背景には、複数の要因が絡み合っています。
1. 流通コストの増加
農家から小売店に届くまでの間に、多くの業者が関わり、物流コストや手数料が積み重なっています。結果として、消費者価格に跳ね返っているのです。
2. ブランド志向の強さ
「コシヒカリ」「特Aランク」など、人気銘柄に需要が集中。そのため、供給過多でもブランド米は高止まりしやすい構造があります。
3. 政府の備蓄米放出が十分に効かない
備蓄米は安く市場に出るはずですが、実際には流通の過程で価格が上がり、小売価格に十分反映されていません。
4. 減反政策の影響
かつての減反政策が撤廃され、米の生産量は回復傾向にありますが、そのスピードが需要とのバランスに追いついていない側面もあります。
消費者の疑問に答える!「4000円以下」は実現可能なの?
Q1:今後、4000円以下に下がる可能性はある?
現状では大きな値下げは期待しにくいです。ただし、ブレンド米や産直で流通コストを抑えた米は、4000円を切る可能性があります。
Q2:どうすれば安く米を買える?
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スーパーの特売日を狙う
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産地直送・直売所を利用する
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ブレンド米や備蓄米をチェックする
Q3:政府にできることは?
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備蓄米の積極的な市場放出
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流通の透明化と効率化
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標準的な「庶民の米」の安定供給
まとめ ― 「4000円以下」が消費者の声
今年の新米は豊作で在庫も十分あるのに、価格は依然として高止まり。
消費者にとって「5kgで4000円以下」というラインは単なる数字ではなく、“これ以上なら買わない”という心理的な限界です。
今のままでは、米離れが進み、消費者はパンやパスタにシフトするでしょう。
農家にとっても、流通にとっても、そして国の食料安全保障にとっても、それは大きなリスクです。
「4000円以下」という声に応える流通改革と政策対応が、いま最も求められています。
参考・引用記事
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「今年の新米 需要を10~40万トン上回る生産か コメの需給見通しの農水省原案判明」ライブドアニュース
https://news.livedoor.com/topics/detail/29557032/ -
「米の流通状況等について」農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/r6_kome_ryutu.html -
「『5キロ2000円』の政府備蓄米に消費者は本当に飛び付くのか」東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/880603 -
「今年の新米 5キロ4300〜5000円台か 農家のコメ増産を促す」毎日新聞・週刊エコノミスト
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20250916/se1/00m/020/056000c
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