“スパイ法”で最初に窮地? 岩屋毅前外相に高まる疑問――「国旗損壊罪は立法事実なし」「右傾化…そんな言い方はしていない」発言の波紋
とりコレ3行まとめ
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岩屋毅前外相が「国旗損壊罪」新設に反対の立場を表明。「立法事実がない」と明言し、「右傾化という言い方はしていない」と釈明。
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スパイ防止法には「反対ではないが中身次第」と慎重姿勢。人権配慮や制度設計の吟味を主張。
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これらの発言が保守層の反発を呼び、「対中配慮」「安全保障で弱腰では」との批判が増幅。議論は加熱中。
スパイ防止法成立は急務
「国旗を守るのは当たり前」「スパイ取り締まりは急務」――そんな強い空気の中で、岩屋毅前外相の慎重論が火種になっています。
岩屋氏は、高市早苗氏が掲げる「国旗損壊罪」新設に対し「立法事実がない」と反論。
さらにスパイ防止法についても「反対ではないが、制度設計を見極めるべき」と語りました。この二つの発言が、保守派からの強い批判と疑念を呼び起こしています。
前提の共有
まず、日本の刑法には外国の国旗を損壊する行為を罰する「外国国章損壊罪」があります。
しかし、自国である日の丸に対しての損壊を直接罰する法律は存在しません。この点の「不均衡」を是正すべきという声が高まり、「国旗損壊罪」の新設論が浮上しています。
一方、スパイ防止法は国家安全保障上の空白を埋める目的で長年議論されてきた法案ですが、表現や報道の自由との衝突を懸念する声も根強くあります。
岩屋氏はこの両テーマに対し、いずれも慎重姿勢を崩していません。
いま何が起きているのか
岩屋氏はメディアの取材で、
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「国旗損壊罪は立法事実がない」
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「右傾化という言葉を使ったつもりはない」
と説明。さらに「スパイ防止法には賛成でも反対でもなく、人権を守れる制度設計が重要」と述べました。
一見、冷静な法技術論にも見える発言ですが、今の保守的な世論の中では「なぜ国旗を守らないのか」「なぜスパイを取り締まらないのか」といった強い反発を招く形になっています。
SNS上でも発言の一部が拡散され、「岩屋氏は左寄り」「対中配慮だ」といった批判が相次ぎました。
国旗損壊罪をめぐる論争
国旗を守る法の空白
外国国旗は刑法で保護される一方、自国旗には罰則がありません。保守派の議員たちは「国の象徴を傷つける行為を見逃すのはおかしい」と主張しています。
一方、反対派は「立法事実が乏しい」「既存法でも器物損壊や威力業務妨害で対応できる」として新法の必要性に疑問を呈します。
岩屋氏の反論
岩屋氏は「立法事実がない」と述べ、「感情的な議論ではなく、法的に新たな犯罪を設ける根拠を精査すべきだ」と説明しました。
この姿勢は、政治的な“右傾化”という印象を持たれることを避けたい意図も見えますが、保守派には「腰が引けている」と映ったようです。
表現の自由との衝突
国旗の使用は政治的パフォーマンスや芸術作品などにも及びます。
そのため、「損壊行為」を一律に罰することは、表現や思想の自由を侵すおそれも指摘されています。
岩屋氏が慎重姿勢を取る理由には、こうした法哲学的な懸念も含まれています。
個別論点①:「右傾化」発言の真意
報道では「右傾化」というワードが見出しに使われ、岩屋氏が右派批判をしたかのように受け取られました。しかし本人は、「右傾化という言い方はしていない」と強調。自民党内の論議の方向性に異論を唱えたのではなく、「法制度としての必要性を問うたにすぎない」と説明しました。
それでも、時期が悪かった。世論が保守化・ナショナリズムの方向に流れている今、慎重論は“反対派”に見えてしまう。
結果、岩屋氏は意図せずして“保守派と距離を置く政治家”という印象を持たれることになりました。
個別論点②:スパイ防止法“慎重論”のリスク
岩屋氏の立場
岩屋氏は、「スパイ防止法」そのものに反対しているわけではありません。
むしろ「制度としては必要だが、運用の枠組みが曖昧なままでは冤罪や萎縮を招く」として、法律の中身を丁寧に詰めるべきだと主張しています。
保守派からの反発
しかし、現状の国際情勢では、スパイ防止法を求める声が非常に強くなっています。
特に中国・ロシア・北朝鮮などの情報活動が活発化している今、「慎重論」は“危機意識が薄い”と受け止められやすい。
ネット上では「岩屋氏がスパイ防止法を遅らせている」といった極端な批判まで見られます。
岩屋氏の“ズレ”
かつて防衛大臣を務め、日米安保にも携わった岩屋氏は、安全保障の専門家として知られます。
だからこそ、「慎重に検討すべき」という発言が意外に映ったのかもしれません。国防を重視する層にとっては、「なぜ即断しないのか」という不満につながっているのです。
また、岩屋氏は議員宿舎に女性が侵入しているといった事件にもあっており、ハニトラのうわさも飛び交っています。
岩屋毅前外相が国民から批判を買った主な3つの事例
防衛・外交の要職を歴任してきた岩屋毅前外相。
実務的な印象が強い一方、世論の風向きによっては「発信力に欠ける」「中国寄りではないか」といった批判を浴びたことも少なくありません。
ここでは、過去に岩屋氏が国民やメディアから大きな批判を受けた主な事例を3つにまとめました。
1. 防衛大臣時代の「資質・発信力不足」批判
2018年10月から2019年9月まで防衛大臣を務めた岩屋氏は、在任中に「発言が弱い」「危機対応で頼りない」といった批判を頻繁に受けました。
特に、防衛・安全保障分野は国民の不安が直結するテーマであり、強い言葉で明確な方針を示すことが求められます。しかし岩屋氏は「慎重で穏やかすぎる」と見られ、世論から「防衛大臣としての存在感が薄い」「危機対応のメッセージが伝わらない」との指摘が続きました。
ネット上でも「岩屋大臣では心許ない」「もっと明確に発信すべきだ」といった声が広がり、政治家としての発信スタイルに厳しい評価が下されました。
2. IR(統合型リゾート)事業をめぐる金銭疑惑
もう一つ大きな批判を招いたのが、IR(統合型リゾート)事業に関連する金銭疑惑でした。
中国企業が日本の政治家に賄賂を渡したとされる一件で、岩屋氏の名前も一時期報道で取り沙汰されました。
本人は一貫して「事実無根」と否定しましたが、外交・安全保障の重責を担ってきた政治家としては、この種の疑惑が出ただけでも国民の信頼を大きく揺るがす結果となりました。
特に「外国資本と政治の距離感」を重視する層から、「なぜ名前が挙がるのか」「慎重さに欠けるのでは」という声が相次ぎました。
この件により、岩屋氏には「政治とカネの問題に対する意識が甘いのではないか」という印象が一時的に広まりました。
3. 中国人向けビザ緩和・対中姿勢への懸念
岩屋氏は外相経験者として中国との関係改善にも尽力してきましたが、その姿勢が一部の保守層や世論から「中国に甘い」と見られることもありました。
特に、中国人観光客向けビザ緩和や経済交流の推進に関わった時期には、「対中配慮が過剰」「国益よりも外交的なバランスを優先している」といった批判が目立ちました。
SNSでは「中国寄り」「親中派」といったレッテルが貼られ、外交政策全体に対する不信感が増大する結果となりました。
また、こうした政策の影響で「中国人観光客の医療費や社会保障負担が増えるのでは」といった国民の不安も噴出。
岩屋氏が目指した“関係改善外交”は、一部では「国防意識の欠如」として受け止められたのです。
世論とSNSの反応
SNS上では、以下のようなコメントが多く見られます。
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「国旗を守らない政治家に国防を語る資格はあるのか」
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「スパイ防止法を遅らせるのは誰のため?」
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「慎重なのは分かるが、今すぐ動かないと間に合わない」
こうした投稿が日々拡散され、岩屋氏の名前は政治系キーワードとともにトレンド入り。
冷静な政策論よりも、短く刺さるフレーズが拡散力を持っているのが現状です。
岩屋氏が直面する3つのリスク
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保守層からの信頼低下
「国旗」「スパイ防止」どちらの議題でも慎重姿勢を見せたことで、保守派からの支持が離れる可能性があります。 -
党内での影響力低下
「右に弱い」「ハト派」といったレッテルが貼られると、安全保障関連の議論で発言力が弱まる恐れがあります。 -
SNS炎上の連鎖
一度ついた印象は訂正しづらく、追加発言が切り取られて拡散し、再び批判を呼ぶ――いわば「二次炎上」の構造が続くリスクがあります。
今後の行方と可能性
とはいえ、岩屋氏の姿勢には一貫した理念もあります。それは、「法律は人々の感情ではなく、論理でつくるべき」というもの。
ただ、SNSを覗いてみると、この件に関しては「黙ってろ」の一言一色で埋め尽くされています。
国民のためにも現政権のためにも「黙っていて」ほしいものです。
あなたはもう「前」外相なのですから。
参考・引用記事URL一覧
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岩屋毅前外相、高市氏提案の国旗損壊罪に反論「立法事実がない」「右傾化…そんな言い方はしていない」 スパイ防止法には慎重姿勢
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3f34ca51d462bbe2a0c984361aeb147d09cc99c -
Calls grow for spy-prevention law in Japan amid rising security concerns(Japan Forward)
https://japan-forward.com/ja/calls-grow-for-spy-prevention-law-in-japan-amid-rising-security-concerns/ -
スパイ防止法に「慎重姿勢」岩屋外相に批判殺到(note)
https://note.com/sakurafina/n/nf29277582183 -
日本政治の“穴”を象徴する男 岩屋毅と親中外交の実相(note)
https://note.com/whitetigerz/n/n3df258531022 -
国旗損壊罪(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E6%97%97%E6%90%8D%E5%A3%8A%E7%BD%AA -
外国国章損壊罪(刑法92条/Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E5%9B%BD%E7%AB%A0%E6%90%8D%E5%A3%8A%E7%BD%AA -
PRESIDENT Online「スパイ防止法が日本に必要とされる理由」
https://president.jp/articles/-/98425?page=2 -
IWJ取材報告:岩屋毅氏のスパイ防止法発言要旨
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/528546 -
毎日新聞:「国旗損壊罪」導入論の課題と表現の自由
https://mainichi.jp/articles/20210219/k00/00m/010/211000c -
しんぶん赤旗:「スパイ防止法」何狙うのか(2025年10月16日付)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik25/2025-10-16/2025101603_01_0.html










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