【資源保護は必須】ウナギ規制案が国際会議で否決!日本は安堵も資源保護は必須の状況
とりコレ3行まとめ
・ウナギ国際取引の規制案が世界会議で否決され、日本は一安心。
・ただし資源減少や密輸問題は何一つ解決しておらず、むしろ放置状態。
・消費大国の日本こそ「食べ続けたいなら資源保護が必須」という現実が重くのしかかる。
ウナギ取引規制案、否決。何が起きたのか分かりやすく
世界の野生動植物の取引ルールを決める国際会議。
ここで、欧州を中心に「ウナギの国際取引をもっと厳しく制限した方がいい」という提案が出された。
背景には、ヨーロッパをはじめ世界中でウナギの個体数が激減し、これ以上の乱獲は危険だという強い危機感がある。
しかし結果は「否決」。
日本、中国、アメリカ、韓国など多くの消費・流通国が反対し、規制案は正式に見送りとなった。
これにより、世界的なウナギ取引は従来どおり継続されることが決まった。
一見すると「良かった良かった」で終わりそうだが、実際はまったく逆。
今回の否決は“延命措置”にすぎず、問題の本質はそのまま残された。
そして、日本は世界トップクラスのウナギ消費国。
つまり日本が何を選ぶかが、ウナギの未来に直結する。

今なぜウナギが問題視されているのか?前提を整理
ウナギは生き物としての特徴がとても特殊だ。
シラスウナギと呼ばれる稚魚を捕まえ、それを養殖で太らせる。完全養殖はまだ量産化できていないため、天然のシラスが減れば、養殖業界そのものが立ち行かなくなる。
そんな中、世界の研究者や環境団体は「今のままでは本当にまずい」と強く警告している。
理由を挙げるとこうだ。
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世界的な個体数の落ち込み
日本のニホンウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギなど主要種で減少傾向が報告されている。 -
シラスウナギの過剰漁獲
稚魚を取りすぎれば、成魚が育たないのは当然。 -
河川環境の悪化
ダム建設、水質の変化など、昔のように遡上できない場所が増えた。 -
違法取引と密輸ネットワークの拡大
もともと金になる魚だけに闇市場も活発。国際メディアでもたびたび取り上げられている。 -
気候変動による回遊ルートの乱れ
ウナギは成長段階で何度も海と川を行き来する。環境変化はそのサイクルに影響する。
こうした問題が山積している中で、今回の取引規制案は「流通の透明化」を進めるための手段として期待されていた。
日本などが反対した理由を深掘り
規制に反対した国側の主張は、ニュースで語られる以上にシンプルだ。
規制に科学的根拠が不十分
「絶滅危惧扱いするには早い」という意見がある。
特にニホンウナギは「増えてきている」という声も一部にはある。ただ、これは専門家の間でも評価が分かれる部分。
食文化と経済への影響が大きすぎる
スーパーの蒲焼き、うな重、土用の丑……ウナギは完全に日本の食文化に入り込んでいる。
規制が強まると価格が跳ね上がり、飲食店や流通企業へのダメージも大きい。
規制しても密輸が減るとは限らない
むしろ闇市場が活発化し、違法取引を助長する可能性もあるという指摘。
実際、他の生物で似た事例がいくつもある。
これらを理由に、反対派が多数派となり規制案は否決された。
ウナギ問題の核心
シラスウナギとは何か
ウナギは卵から生まれ、透明のレプトケファルスという姿を経て川へたどり着く。その川で漁獲されるのがシラスウナギ。これが減ると養殖業界は機能しない。
違法流通・密漁の実態
世界で数千億円規模とされるウナギ密輸ルートが存在すると言われている。正規のルートと混ざるため、流通段階で判断するのが極めて難しい。
日本の消費量の異常さ
日本は世界のウナギ市場を支える “超大国”。
需要が高い限り、どれだけ国際的に規制しようとしても市場が活発であり続ける。
養殖の“限界”
完全養殖は技術的には成功しているものの、コストと量産面でまだ商業化できていない。
結果、天然稚魚依存が続く構造は変わらない。
SNSでの反応は真っ二つ
今回の否決をめぐるSNSの声は、かなり分かれている。
「値上がりしないのはありがたい」という歓迎派
飲食店や流通業者、一般消費者からは「助かった」という声が多い。
特に飲食店は原価が安定することで営業に直結する。
「ウナギを守る気があるのか?」という批判派
環境系アカウント()では
「今止めないと、本当に日本人がウナギを食べられなくなる」
といった厳しい意見が多い。
海外では特に、密輸問題を大きく問題視する声が淀みなく続いている。
「日本は自分の都合だけ?」という海外の皮肉
海外メディアでは、日本の反対に対し「経済優先では」と辛辣な見方も。
つまり今回の否決は、世界中でかなり“燃えやすい”テーマとして扱われている。
炎上要素はバッチリそろっているとも言える。
規制案の否決で日本が安心してはいけない理由
一番大事なポイントはこれだ。
今回の否決は、日本のウナギ食文化を守ったのではなく、先延ばししただけ。
むしろこの決定は、以下のリスクを高める可能性がある。
・違法取引の監視がさらに難しくなる
・資源減少への国際的圧力が強まる
・次の会議でより厳しい案が出る可能性
・日本が環境問題に消極的だと見られイメージダウン
さらに言えば、資源が減れば最終的に市場価格は上がる。
長い目で見ると、今回の否決が日本にとって良いこととは限らない。
ここを理解していない人が多い。
「規制が通らなくて助かった」
その安心感で乱獲し絶滅させてしまっては元の木阿弥。
まとめ
今回の国際会議でウナギ規制案は否決された。
日本にとっては一時的にプラスのように見えるが、ウナギ資源の危機は全く解決していない。
むしろ、世界が懸念する「密輸」「資源枯渇」「乱獲」などの問題を、日本はこれから真正面から問われることになる。
“ウナギを好きでい続けるためにどう動くか”。天然シラスウナギに頼らず、養殖ウナギの卵から養殖が出来る技術が確立されたのなら、さらに養殖に力を入れていくべきだろう。
参考・引用記事
ウナギの取引規制案、国際会議で正式否決
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7b31cc76b8a221cb9f20c64bc33094aa9d5e90b
Eel populations are falling, and new protections were defeated. Japan and the US opposed them
https://apnews.com/article/1bbded40f5378bb63d52b52b53a91293
Inside the illegal eel trade: is there a way to stop Europe’s biggest wildlife crime before it’s too late?
https://www.theguardian.com/environment/2025/oct/22/illegal-eel-trade-trafficking-europe-biggest-wildlife-crime-endangered












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