【速報】取締役CMOを務めてきた井ノ原快彦氏退任!STARTO Entertainment――創業期を終え“第2章”へ
イントロダクション――なぜ今、トップ交代なのか
2025年6月27日午後、STARTO Entertainment(以下、STARTO)は定時株主総会と取締役会を終えた直後に「代表取締役等の異動」を公式サイトで発表しました。
創業CEOである福田 淳氏が任期満了と本人の意向を理由に退任し、そのバトンをフジテレビ出身の実務派プロデューサー・鈴木 克明氏が引き継ぐ、というサプライズ人事です。
併せて、V6/20th Centuryのメンバーで取締役CMOを務めてきた井ノ原快彦氏も退任し、今後はタレント活動一本に注力することが明かされました。
旧ジャニーズ問題からわずか1年半でのトップ刷新は、ファンだけでなくメディア業界にとっても大きな転換点となります。
1|公式発表の詳細と“ガバナンス型”手続き
株主総会当日に取締役変更を完了し、同日付でウェブサイトとプレスリリースを公開する――このスピード感は、東証プライム上場企業に匹敵するガバナンス手法といえます。
リリースでは退任理由を「本人の意向ならびに任期満了」と明確に記載し、取締役会の賛成多数で承認した事実も開示。
旧ジャニーズ時代に指摘された“情報開示の遅れ”を払拭するかのような透明性の高いプロセスでした。
2|去りゆく創業者・福田淳氏――“整地役”としての役割を全う
福田氏は2023年12月の社名決定時点から「コンプライアンスの再構築」と「タレント救済」を最重要課題に掲げ、①ガバナンス規程の外部公開、②チケット転売対策の法的措置、③被害者補償窓口との協働――という“三本柱”を短期間で制度化しました。
この“整地フェーズ”を完遂したことで「自分のミッションは果たした」と判断し、クリエイティブ関連事業や外部プロジェクトに活動領域を戻すとみられます。
3|新社長・鈴木克明氏のプロフィールと期待値
経歴のハイライト
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1981年 フジテレビ入社、番組制作畑へ。
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1994年 『めざましテレビ』初代プロデューサーに就任。
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2004~10年 編成制作局長として7年連続視聴率“三冠王”を達成。
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2017~21年 テレビ西日本社長。地方局のデジタル・DXを主導。
鈴木氏は「数字(視聴率)を結果で語る」現場主義者として知られ、番組改編に伴うPDCAサイクルを高速で回す手腕が評価されてきました。
フジテレビの黄金期を知る数少ないキーマンであり、“編成 × デジタル”のハイブリッド思考を STARTO のライブ配信やファンクラブアプリにどう注入するかが最大の注目点です。
4|井ノ原快彦氏の退任――タレント業への完全復帰
2023年の創業時からCMO(最高マーケティング責任者)として広報ブリッジ役を担ってきた井ノ原氏は、「タレントとしてファンに直接向き合う時間を増やしたい」との考えから役員を降板。
今後はMC・俳優・舞台の現場にフルコミットすると宣言しています。
後継のマーケティング体制は、デジタル企画部門長を中心に“実務レイヤー”で分担する方針で、大規模な空席は生まれない構造になっています。
5|STARTOの現在地――創業期から拡大期へ
STARTO は旧ジャニーズタレント28組・約300名をマネジメントするため2023年10月17日に設立され、2024年4月に本格稼働しました。
資本金は1,000万円からスタートし、社員数およそ240名で運営。福田体制では、法令遵守・被害者補償・情報開示という“守り”を徹底した一方、収益面では公式リセールサービス「RELIEF Ticket」や海外ファンクラブサイトの計画など、種まき段階にとどまっていました。
鈴木新社長の就任により、①配信オリジナル番組の強化、②ドーム級ライブとメタバース連動、③海外ストリーミング市場へのローカライズ――という“攻めの三本柱”が一気に加速する可能性があります。
6|SNSと業界の即時反応
発表後30分でハッシュタグ #STARTO新社長 がX(旧Twitter)の国内トレンド入りし、オリコンニュース公式ポストには1時間で約4,000件のいいねが集中。
「テレビ畑の実務家は頼もしい」「イノッチ現場復帰うれしい」などポジティブ反応が7割超と、おおむね歓迎ムードです。
一方で「ガバナンス監視は続けるべき」と慎重な声もあり、透明性を維持しながら結果を示せるかが今後の信頼度を左右しそうです。
7|今後のチェックポイント
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初年度の財務指標
鈴木体制1年目となる2025年度決算で、売上高/営業利益の成長率がガバナンス投資を上回るかが試金石。 -
配信プラットフォーム戦略
“地上波×有料配信”ハイブリッドの具体策と、タレント別レベニューシェア設計に注目。 -
ファンエクスペリエンスの革新
メタバース視聴や二次創作ガイドライン整備など、ファン主導の共創施策が進むか。
“整地”から“開花”へ
福田淳氏が整えた強固な地盤の上で、鈴木克明氏は視聴率三冠時代に培った攻めの編成力を武器に、STARTOを「ガバナンス先進×コンテンツ先鋭」の両輪でドライブさせることになります。
井ノ原快彦氏の現場復帰も加わり、ファンにとっては露出の拡大が期待できる朗報。
STARTO Entertainment の第二章は、企業統治とエンタメ創造を両立できるか――この一点に業界の視線が集まります。
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