【誤伐という言い訳】宮崎の“無断伐採”は誤伐ではない。裁判所が示した厳しい判断と、盗伐を止めるために必要な「買い手への罰則強化」
- 1. とりコレ3行まとめ
- 2. 「誤伐という言葉が“逃げ道”に使われてきた」
- 3. 「宮崎で無断伐採が繰り返される理由」
- 4. 山林の境界があいまいになりやすい
- 5. 木材市場が活発で“盗伐材が売れる”
- 6. 宮崎で実際に起きた無断伐採のケース
- 7. 過去の裁判例が示した「誤伐は通用しない」という司法判断
- 8. 黒木林産事件(2018〜2020)
- 9. “誤伐”がなぜ成立しにくいのか
- 10. 1. 伐採には所有者確認が必須
- 11. 2. 裁判所がすでに“誤伐は通用しない”姿勢を示している
- 12. 3. 誤伐を認めると盗伐が増える
- 13. 現行法だけでは盗伐は止められない理由
- 14. 日本の現行制度
- 15. 海外とのギャップ
- 16. なぜ買い手にも罰則が必要なのか
- 17. SNSで広がる不安と怒り
- 18. まとめ「誤伐という言い訳は終わりにすべき」
- 19. 参考・引用記事
とりコレ3行まとめ
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宮崎県で山林の無断伐採が続き、被害者が「激怒しかない」と訴えている。
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過去の裁判では“誤伐”という主張は「不自然」とされ、有罪判決が確定した。
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盗伐を止めるには、伐採者だけでなく、木材を買う側にも強い法的責任が必要だ。
「誤伐という言葉が“逃げ道”に使われてきた」
宮崎県で、自分の山をいつの間にか切られていたという無断伐採の被害が続いている。報道に登場した男性は、長年手入れしてきた山が突然スカスカになっている光景を目にし、「激怒しかありません」と語った。山を失う痛みは、金額に換算できるものではない。
ところが、伐採を行った業者側は「誤って切ってしまった。ただの誤伐だ」と主張する。しかし、この“誤伐”という言葉は注意が必要だ。
なぜなら、過去の裁判ではこの主張が「不自然で信用できない」と判断され、有罪が確定した例があるからだ。
この記事では、宮崎で起きている無断伐採の実態を事実に基づいて整理し、「誤伐」論争の本当の姿を明らかにする。その上で、盗伐を根絶するために必要な制度強化について、現行法の範囲を踏まえたうえで提案する。
最後まで読むことで、いま起きている問題が“個人のトラブル”ではなく、日本の森林と消費者全体に関わる重大問題であることが理解できるはずだ。

「宮崎で無断伐採が繰り返される理由」
宮崎県は、日本でもトップクラスの木材産地だ。とくにスギの生産量は30年以上連続で日本一を続けており、木材加工業も盛ん。山から伐採した材を搬出し、すぐに現金化できる環境がある。
一見すると地域の強みだが、これは盗伐の“やりやすさ”につながる構造でもある。
山林の境界があいまいになりやすい
日本の山林は、相続や世代交代の中で所有者が複雑化しており、「誰の土地なのか」が分かりにくくなる。境界杭が失われていたり、地籍図と現地が一致しなかったりすることも多い。
こうした状況を背景に、業者が「ここは伐って良いと思った」「依頼者が所有者だと信じていた」と主張しやすい環境が生まれる。
ただし、実際には伐採には市町村への届出が必要で、所有者の同意確認は当然の義務だ。境界が曖昧でも、確認を怠れば業者側の重大な過失になる。
木材市場が活発で“盗伐材が売れる”
宮崎のスギ材は需要が高く、加工工場も多い。買い手が多い市場では、違法に伐られた木でも紛れ込みやすい。
つまり“盗伐材に需要がある”環境が、無断伐採の動機になってしまう。
これは個人の悪質行為というより、構造的に起こりやすい土壌があるということだ。
宮崎で実際に起きた無断伐採のケース
報道された事例では、宮崎市在住の70代男性の山林が、本人の知らない間に伐採されていた。
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2020年ごろ「山を売ってほしい」と電話が来る
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しかし購入の話はまとまらないまま終わった
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その後、2021年になって「山が伐られている」と兄から連絡
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現地へ行くと、大部分の木が消えていた
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ドローンで撮影すると、上空から穴のように裸地化している状態が判明
伐採現場には枝木が散乱し、急斜面では土砂流出のリスクも高まっていた。
木材はすでに持ち去られ、明らかに商業目的で伐採された形跡があった。
この事件では、警察が森林窃盗などの容疑で書類送検したが、後に不起訴となり、被害者側は業者や原木市場を相手取り民事訴訟を起こしている。
訴状では、飫肥杉 500㎥・600万円相当の損害と、慰謝料などを加えた総額 1353万円を求めている。
ここには“誤伐で済まされない”ほどの明確な被害がある。
過去の裁判例が示した「誤伐は通用しない」という司法判断
“誤伐”という言葉は、無断伐採事件でしばしば使われる。
しかし過去の裁判をみると、この主張が認められた例は非常に少ない。
もっとも象徴的なのが、宮崎県の黒木林産事件だ。
黒木林産事件(2018〜2020)
この事件では、素材生産業者の社長が民有林のスギを所有者に無断で伐採し、森林法違反で起訴された。
被告側は「誤って他人の山を伐ってしまった」と主張したが、裁判所の判断はきわめて厳しかった。
裁判所が示した判断のポイント
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所有者の同意は得ていなかった
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伐採手続きが不備だらけだった
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説明に矛盾が多く、信用できない
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“誤伐”という主張は不自然であり、認められない
一審の宮崎地裁は懲役1年・執行猶予4年の有罪判決。
二審の高裁もこれを支持し、最高裁で上告棄却。
裁判所は明確に「誤伐説」を退けた。
ここで重要なのは、裁判所は“誤伐”という言葉そのものに疑いの目を向けている という点だ。
境界が曖昧であっても、手続きを怠れば業者の責任。
「間違えて伐った」という言い訳は通らない。
“誤伐”がなぜ成立しにくいのか
ここまでの事実を踏まえると、「誤伐」は実務的に成立しづらい。
この点を整理すると、次の理由が挙げられる。
1. 伐採には所有者確認が必須
伐採届の提出、所有者の同意、境界確認は業者の義務。
これを怠った時点で「誤り」ではなく「重大な過失」もしくは「故意」と判断される。
2. 裁判所がすでに“誤伐は通用しない”姿勢を示している
黒木林産事件の司法判断は、今後の盗伐事件にも影響を与える重要な先例だ。
3. 誤伐を認めると盗伐が増える
「間違えたと言えば逃げられる」
そんな状態になれば、無断伐採は一気に広がる。
山林所有者を守るためにも、誤伐の主張は慎重に扱われるべきだ。
“誤伐”という言葉が業者側の逃げ道として濫用されてきた側面は否定できない。
現行法だけでは盗伐は止められない理由
盗伐は伐採した側の問題だけではない。
盗伐材を買う側が存在するから成立してしまう。
ここを理解しないと、対策は不完全になる。
日本の現行制度
日本には「クリーンウッド法」があり、
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合法伐採木材の利用促進
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事業者による合法性確認
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記録の保存
などが求められている。
ただしこれは
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あくまで“合法性確認”のルール
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違法材を買ったから即・刑事罰という仕組みではない
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対象は主に事業者、一般消費者は対象外
といった性格がある。
つまり「盗伐材の流通そのものを止める力」としてはまだ弱い。
また、刑法上は
“盗品と知りながら買えば”処罰される
が、盗伐材の場合「知っていた」ことの立証が難しい。
このため、盗伐材の買い手に対する規制は、まだ不十分と言わざるを得ない。
海外とのギャップ
海外では、
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違法伐採木材の輸入禁止
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事業者に強制的なデューディリジェンス義務
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違法材を扱った企業への罰金・行政処分
などが一般的。
日本よりはるかに厳しい。
なぜ買い手にも罰則が必要なのか
盗伐は「伐る業者」と「買う業者」のシステムで成立する。
どちらかが欠ければ成り立たない。
買い手が
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合法性確認を怠った
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価格が異常に安い木材を仕入れた
- 明らかに不自然なルートから購入した
などのケースにも、もっと強い責任を問える制度が必要だ。
SNSで広がる不安と怒り
無断伐採の報道を受け、インターネットでは多くの声が上がっている。
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「自分の山も調べておかないと不安」
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「境界が曖昧だからって切っていい理由にはならない」
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「盗伐材が普通に市場に出回っていると思うと怖い」
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「山を守ってきた人の気持ちを踏みにじりすぎ」
盗伐は単なる窃盗にとどまらない。
生態系、災害リスク、景観、地域経済にも悪影響が及ぶ。
そして最も深い傷を負うのは、山を守り続けてきた所有者だ。
まとめ「誤伐という言い訳は終わりにすべき」
宮崎県で続く無断伐採問題は、全国で起きる森林トラブルの典型だ。
裁判例を見ても、“誤伐”という言い訳が認められる余地はほとんどない。
私は次のように考える。
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裁判所は今後も「誤伐」という主張を厳格に審査すべき
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無断伐採は盗伐として扱い、被害者の損害を最大限回復させるべき
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盗伐材を扱う買い手にも、より強い義務と罰則を設けるべき
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木材市場全体で「違法材を使わない仕組み」を構築すべき
森林は一度破壊されると、元に戻るまで何十年もかかる。
だからこそ、「誤伐」が逃げ道になっている現状を終わらせる必要がある。
今こそ、盗伐に対して社会全体が本気で向き合うべきだ。
参考・引用記事
UMKニュース「宮崎で相次ぐ山林無断伐採」
https://www.umk.co.jp/news/selection/2025/12/post-69.html
FOE Japan「宮崎県の盗伐事件(黒木林産事件)」
https://foejapan.org/issue/staffblog/2020/10/15/miyazaki-011/
いこまの林と田舎ブログ「宮崎県盗伐被害、裁判へ」
https://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2025/11/post-56c92f.html
環境省「違法伐採による環境影響調査報告書」
https://www.env.go.jp/press/files/jp/11418.pdf
農林水産省「各国の違法伐採対策」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/goho/kunibetu/index.html
Arbor Plus「違法伐採とは何か」
https://arborplus.jp/illegal-logging/4106/












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