【5月の行事】「小満」とは？意味・由来・楽しみ方5選
5月の行事といえば端午の節句や田植えの季節を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、二十四節気の一つである「小満（しょうまん）」も、この時期に訪れる大切な節目の一つです。
「小満」は、5月21日頃（年によって変動）に訪れる二十四節気の一つで、「万物が次第に満ち足りていく時期」を意味します。
田畑の作物が順調に育ち、自然界が生命力に満ちる時期とされ、日本各地で農業にまつわる行事が行われます。
本記事では、「小満」の意味や由来、そしてこの時期に楽しめる伝統行事や旬の食べ物について詳しくご紹介します。
【1. 小満の意味と由来】「満ちる」季節の始まり
◇ 小満とはどんな節気？
小満は、二十四節気の8番目にあたる節気で、毎年5月21日頃（年によって変動）に訪れます。
この時期は春から夏へと移行する重要な節目であり、草木が成長し、田畑の作物も順調に育ち始める季節です。
「小満」という名前には「少し満ち足りる」という意味が込められており、冬を越えた植物が成長し始めることから、農家にとっては安心感を覚える時期でもあります。
梅雨入り前の安定した気候の中で、麦の穂が膨らみ始め、田植えの準備が本格化するのが特徴です。
◇ 小満の由来
小満という言葉は、中国の古代農業暦に由来しています。もともとは「作物が実をつけ始める時期」という意味で使われており、日本にもその考え方が伝わりました。
稲作が盛んな日本では、特に農業と深い関わりを持つ節気として親しまれています。
【2. 小満の頃に行われる伝統行事】
小満の時期には、日本各地でさまざまな伝統行事が行われます。
特に農作業と関連する祭りが多く、収穫への感謝や豊作を願う風習が根付いています。
① 田植え祭（全国各地）
小満の時期は、本格的な田植えが始まる頃。全国各地の神社では、五穀豊穣を祈願する「田植え祭」が行われます。
特に有名なのが、京都・伏見稲荷大社の「田植祭」や、奈良県の「御田植祭（おたうえさい）」です。これらの祭りでは、伝統的な農具を使った田植えの実演や神事が執り行われます。
② 麦秋祭（関東地方）
「麦秋（ばくしゅう）」とは、麦が黄金色に色づき、収穫を迎える時期を指します。
小満の頃には、関東地方を中心に「麦秋祭」が開催され、麦の収穫を祝う行事が行われます。
小麦は日本では主食ではないものの、うどんやパンの原料として重要な作物であり、その収穫を祝う文化が根付いています。
③ 氷室開き（石川県）
小満の頃になると、かつて冬に保存しておいた氷を取り出し、夏に備える「氷室開き」が行われる地域もあります。
特に石川県の金沢では、「氷室の雪氷」を献上する伝統が続いており、夏の暑さを乗り切るための知恵として親しまれてきました。
【3. 小満の時期に楽しめる旬の食べ物】
小満の頃には、さまざまな旬の食材が出回ります。この時期ならではの味覚を楽しんでみましょう。
① 新茶
5月は新茶の季節。特に小満の頃に摘まれる「二番茶」は、ほどよい渋みと甘みが特徴です。新茶にはカテキンが豊富に含まれており、抗酸化作用が期待できます。
② そら豆
小満の頃になると、そら豆が旬を迎えます。塩茹でにするだけでなく、炒め物やスープにしても美味しくいただけます。
③ 初がつお
「目に青葉 山ほととぎす 初がつお」という俳句があるように、5月は初がつおの季節。小満の時期には、新鮮なかつおを刺身やたたきで楽しむのがおすすめです。
④ 山菜（わらび・ぜんまい）
山菜の中でも、わらびやぜんまいは小満の頃に旬を迎えます。おひたしや炒め物にして、春の味覚を楽しみましょう。
【4. 小満の季節の過ごし方】おすすめの楽しみ方
小満の頃は、自然の恵みを感じながら、季節の変化を楽しむのにぴったりな時期です。おすすめの過ごし方を紹介します。
① 自然散策を楽しむ
気候が安定し、外出に最適な時期。近くの公園や山へ出かけ、季節の花や植物を観察してみましょう。
② 旬の食材を味わう
先述のそら豆や新茶、初がつおなど、季節の食材を取り入れた料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
③ 田植え体験に参加する
小満の時期に開催される田植え体験に参加するのもおすすめです。家族で参加すれば、子どもに農業の大切さを伝える機会にもなります。
【まとめ】小満は「自然の恵みを感じる季節」
小満は、草木や作物が成長し、自然の恵みを感じられる時期です。
この時期に行われる伝統行事や旬の食べ物を知ることで、季節の移り変わりをより楽しむことができます。
ぜひ、小満の風習を生活に取り入れ、春から夏への移り変わりを感じてみてください。