【7月の行事】小暑の意味と由来とは?七夕や祇園祭との関係も解説
7月に入ると、本格的な夏の始まりを告げる季節の節目「小暑(しょうしょ)」を迎えます。
耳にする機会はあっても、「小暑って実際に何?」「どんな行事と関係があるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、小暑の意味や由来に加えて、日本で広く親しまれている七夕や祇園祭との関係、小暑の時期に見られる自然や風習について詳しくご紹介します。
日本の季節感を感じられる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
小暑とは?意味と暦の中での位置づけ
二十四節気の中での小暑
「小暑」は、二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつで、夏の中頃にあたる節目となります。
二十四節気とは、1年を太陽の動きに合わせて24の季節に分けたもので、農業の指標として古くから用いられてきました。
小暑はその第11番目で、例年7月7日ごろから始まります。ちょうど梅雨明けが近づき、蒸し暑さが強くなってくるタイミングです。
なお、この小暑から約15日後には「大暑(たいしょ)」を迎え、さらに暑さが本格化していきます。
小暑の語源と季節感
「小暑」という言葉には「少し暑くなり始める時期」という意味があります。この頃から夏の暑さが徐々に増していくため、体調を崩しやすい時期とも言えます。
湿気が高く、熱中症のリスクも高まるため、十分な水分補給や休息を心がけたいところです。
小暑に行われる伝統行事① 七夕の由来と歴史
七夕のルーツは中国の星伝説
七夕(たなばた)は、7月7日に行われる日本の伝統行事で、小暑の開始日とも重なります。
七夕の起源は古代中国の「乞巧奠(きこうでん)」という風習にあります。
これは織姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)が年に一度、天の川を越えて会うという物語をもとに、女性が裁縫や機織りの上達を願う祭りでした。
日本には奈良時代に伝わり、日本古来の「棚機津女(たなばたつめ)」の信仰と融合し、やがて現在のような七夕行事となったとされています。
平安時代には宮中行事として行われ、短冊に詩歌を詠む習慣が広まりました。
七夕の風習と現代の広がり
現在の七夕では、願い事を書いた五色の短冊を笹に飾るのが一般的です。また、地域によっては七夕祭りが開催され、仙台七夕祭り(宮城県)や平塚七夕まつり(神奈川県)などが有名です。
七夕は小暑の時期と重なることから、季節の節目に願い事を託す行事として定着しています。
小暑に行われる伝統行事② 祇園祭の由来と魅力
祇園祭の始まりは疫病退散の祈願から
祇園祭(ぎおんまつり)は、京都・八坂神社で毎年7月に開催される日本三大祭りのひとつです。
その始まりは平安時代の869年。当時、疫病が流行したことから、疫病退散と無病息災を願って66本の鉾を立てた「祇園御霊会(ごりょうえ)」が始まりでした。
1100年以上にわたり受け継がれてきたこの祭りは、現代でも1か月にわたって多くの行事が行われ、京都の夏を象徴する一大イベントとなっています。
山鉾巡行と日本文化の象徴
祇園祭の最大の見どころは、17日と24日に行われる「山鉾巡行(やまぼこじゅんこう)」です。
豪華に飾られた山鉾が京都市内を練り歩く様子は、「動く美術館」とも呼ばれ、まさに圧巻。国内外から多くの観光客が訪れます。
この時期はちょうど小暑の期間と重なるため、夏の訪れと日本文化の深さを同時に感じられる時期としても人気です。
小暑と自然のつながりを楽しもう
この時期に咲く花と旬の食べ物
小暑の頃には、自然界も美しく変化します。特に蓮の花が見ごろを迎え、朝の静けさの中で咲く蓮は日本の夏らしさを演出してくれます。
その他にも、紫陽花の終わりや、ひまわりの開花など、移り変わる季節を楽しめます。
また、旬の食べ物としては以下のようなものがあります。
-
スイカ
-
枝豆
-
とうもろこし
-
ウナギ
これらは体を冷やしたり、栄養価が高く、夏バテ防止にも役立つとされています。
暑中見舞いの習慣
小暑から立秋(8月7日頃)までの期間は「暑中」と呼ばれ、この間に送る便りが「暑中見舞い」です。
相手の健康を気遣うこの風習は、古くから親しまれてきました。
現在では、手書きのハガキだけでなく、スマートフォンやメールを使ったデジタル暑中見舞いも増えています。
形式は変わっても、大切な人への思いやりを伝えるという意味は変わりません。
小暑の楽しみ方と過ごし方
地域イベントで季節を感じる
小暑の時期は各地でお祭りやイベントが開催されるため、ぜひ地元の行事に参加してみましょう。
夜風を感じながらの花火大会や、浴衣を着ての夏祭りなど、日本ならではの夏の楽しみを体験できます。
家族での手作り体験もおすすめ
また、暑さを避けて家の中で楽しむ「季節の手仕事」もおすすめです。
風鈴を作ったり、うちわに絵を描いたりするのは、子どもにも楽しい思い出になります。冷たい和菓子を一緒に作って食べるのも、この時期ならではの楽しみですね。
まとめ
小暑は、夏の始まりを知らせてくれる大切な節気です。
この時期には、七夕や祇園祭といった日本を代表する伝統行事が行われ、自然も旬の食材も私たちの五感を楽しませてくれます。
日本ならではの季節感を楽しみながら、小暑の時期を家族や大切な人と一緒に過ごしてみてはいかがでしょうか?
最近のコメント