【7月の食材】ピーマンの歴史・普及と保存&調理法を完全ガイド
7月はピーマンがもっとも美味しい季節です。夏野菜の定番として知られるピーマンですが、実は日本に定着するまでにはさまざまな歴史があります。
また、保存方法や調理の仕方次第で、苦味を和らげたり栄養を無駄なく摂取できたりするのをご存じですか?
この記事では、「ピーマンの歴史と日本での普及背景」「正しい保存方法」「苦味を抑える調理の工夫」など、ピーマンをもっと身近に、もっと美味しく食べるための知識をたっぷりご紹介します。
ピーマンの歴史とは?
原産地は中南米!ピーマンのルーツ
ピーマンはナス科トウガラシ属に分類され、原産地は中南米といわれています。
特にメキシコやボリビア、ペルーなどが起源とされており、もともとは辛味のあるトウガラシとして栽培されていました。
その後、長い年月をかけて辛味を抑えた品種が生まれ、ヨーロッパに伝わると「スイートペッパー」や「ベルペッパー」として人気を集めるようになります。
ピーマンは色や形、大きさも多様で、世界各国の料理に欠かせない野菜へと進化しました。
日本への伝来と広まりの背景
日本には明治時代に西洋野菜の一種として伝来しましたが、当時の日本人にはあまり馴染みがなく、青臭さや苦味が敬遠されがちでした。
特に、昭和初期までは一般家庭に浸透せず、料理店や一部の都市部でしか見かけない野菜でした。
戦後になると、食糧難の中で栽培が容易なピーマンが注目されます。1950年代〜1960年代には品種改良も進み、よりマイルドで肉厚な品種が流通し始めたことで、一気に家庭の食卓に浸透しました。
学校給食にも登場するようになり、徐々に国民的な野菜としての地位を確立しました。
なぜ7月がピーマンの旬なのか?
ピーマンは夏野菜に分類され、露地栽培では6月下旬から9月ごろまでが収穫期とされています。中でも7月は気温が高く、日照時間も長いため、ピーマンの生育条件がもっとも整う季節です。
この時期のピーマンは以下のような特徴があります。
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実が厚くみずみずしい
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緑色が濃くツヤがある
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苦味がやわらぎ甘みを感じやすい
特に茨城県や高知県などの主要産地では、7月に収穫・出荷のピークを迎えるため、市場やスーパーに並ぶピーマンの品質も高く、価格も比較的安定しています。
旬の時期に食べることで、栄養面でも味の面でも最も良い状態のピーマンを楽しむことができます。
日本でピーマンが定着した3つの理由
理由① 栄養価が非常に高い
ピーマンは、見た目からは想像できないほど栄養価の高い野菜です。特にビタミンCの含有量はトップクラスで、100gあたり76mgと、同量のレモンに匹敵します。
また、ピーマンに含まれるビタミンCは、熱に強い特徴があり、加熱調理しても壊れにくいため、炒め物や煮物でもしっかり栄養を摂ることができます。
その他にも、
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βカロテン:抗酸化作用で生活習慣病予防に有効
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ビタミンE:肌の老化防止
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食物繊維:腸内環境を整える
といった、健康維持に欠かせない成分が多く含まれています。
理由② 家庭菜園で育てやすい
ピーマンは比較的病気に強く、プランターでも栽培しやすいことから、家庭菜園で人気の野菜のひとつです。
日当たりと水やりに気をつければ、初心者でも夏にかけて次々と収穫することができます。
この「育てる→収穫する→食べる」の体験が、家庭での定着を強く後押ししました。特に夏休みの自由研究として子どもと一緒に育てる家庭も多く、ピーマンへの親しみが深まる要因になっています。
理由③ 料理のバリエーションが多い
ピーマンは和洋中すべての料理に合う万能食材です。苦味がアクセントになるため、メインディッシュから副菜まで幅広く使えます。
代表的なレシピには以下のようなものがあります。
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ピーマンの肉詰め(子どもにも人気)
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青椒肉絲(チンジャオロース)
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きんぴら風ピーマン
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焼きピーマンのポン酢和え
炒める、焼く、煮るなど、調理法に応じて味の変化も楽しめます。
ピーマンを長持ちさせる保存方法
冷蔵保存の基本
ピーマンを長く新鮮に保つには、正しい冷蔵保存が必要です。
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キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る
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ポリ袋またはジップ付き袋に入れる
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ヘタを下にして野菜室で保存する
この方法で、だいたい1週間程度は鮮度を保てます。ピーマン同士がぶつからないように保存することで、傷みを防げるのもポイントです。
冷凍保存でまとめ買いにも対応
安売りなどで大量に購入した場合は、冷凍保存もおすすめです。冷凍することで日持ちが3週間以上になります。
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ヘタと種を取り除く
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スライスまたは乱切りにする
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小分けにして冷凍用袋へ
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空気を抜いて冷凍庫へ
冷凍ピーマンはシャキシャキ感がやや落ちますが、炒め物や味噌炒めなどの加熱料理には問題なく使えます。
苦味が気にならない!調理の工夫
ピーマンの苦味をやわらげる簡単テク
ピーマンの苦味が苦手という方も多いですが、調理方法を工夫することでかなりマイルドになります。
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縦切りにする:繊維を断ちにくく、苦味が出にくい
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油と一緒に炒める:油が苦味成分を包み込む
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下茹でまたは電子レンジで加熱:青臭さが軽減される
これらの方法で、子どもや苦味が苦手な方でも美味しく食べられるようになります。
子ども向けアレンジアイデア
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チーズと一緒にグラタン風に
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ひき肉やツナで詰め物を作る
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甘辛味にしてご飯のおかずに
子どもでも喜んで食べられる味付けや見た目の工夫をすることで、ピーマンが好きになるきっかけになります。
まとめ
ピーマンは、実は奥深い歴史を持ち、日本に根付くまでには長い年月がかかりました。
7月の旬を迎える今こそ、ピーマンの魅力を再発見していただければと思います。
保存や調理を少し工夫するだけで、苦手意識のある方でも美味しく食べられる万能野菜です。
ご家庭でもぜひ取り入れて、夏を元気に乗り切りましょう!
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