【7月の食材】旬の杏（アンズ）の魅力を徹底解説｜産地・歴史・保存法・レシピまとめ
はじめに｜7月に旬を迎える杏（アンズ）とは？
7月になると果物売り場に鮮やかなオレンジ色の杏が登場します。杏は、甘酸っぱくジューシーな味わいが魅力で、加工品としても人気の高い夏の味覚です。
しかしその魅力は味だけにとどまりません。実は杏には長い歴史や高い栄養価、地域に根差した文化もあります。
本記事では、杏の旬・由来・産地・おすすめレシピ・保存法までを丁寧にご紹介します。7月の食卓を彩る杏の世界を一緒にのぞいてみましょう。
7月 食材 杏の旬はいつ？食べごろの時期を知ろう
杏の旬は主に6月下旬から7月中旬にかけてです。
地域によって差はありますが、長野県のような主要産地では7月初旬にピークを迎えます。この時期の杏は完熟状態で、香りも甘みも格別です。
新鮮な杏は、やわらかくなり始めたら食べごろのサイン。傷みやすい果物なので、見つけたら早めに購入し、その日のうちに食べるのが理想的です。
また、完熟前の状態であれば追熟させることもできます。杏の魅力を最大限に楽しむには、旬の時期をしっかり押さえておくことが大切です。
7月 食材 杏の歴史と日本での広まり
杏は中国が原産で、日本には古代に渡来したと考えられています。
記録によれば、奈良時代にはすでに薬用として利用されており、「杏仁（きょうにん）」と呼ばれる種子部分は咳止め薬など漢方薬に重用されていました。
平安時代には「唐桃（からもも）」という呼び名でも知られ、観賞用や貴族の薬用として利用されていた形跡もあります。
江戸時代に入ると、杏は庶民の間でも食用として親しまれるようになり、特に長野県では藩政の一環として杏の栽培が推奨されました。これが今日の「信州あんず」の原点です。
杏は「見た目が梅に似ているが、味は桃のよう」と言われ、酸味と甘みを兼ね備えた希少な果物として定着しました。
7月 食材 杏の主な栽培地と特徴を紹介
日本で流通している杏の約9割以上が長野県産です。
なかでも「千曲市（ちくまし）」は「あんずの里」として有名で、春には杏の花が一面に咲き誇る景色を楽しむことができます。
◆ 代表的な産地と特徴一覧
| 県名 | 主な市町村 | 特徴 |
|---|---|---|
| 長野県 | 千曲市、松代町 | 果肉が厚く酸味が少ない「信州大実」などが主力 |
| 青森県 | 弘前市 | 冷涼な気候で栽培され、酸味が強く濃厚な味 |
| 山形県 | 寒河江市など | 小粒で香りが良い品種が栽培されている |
特に千曲市では、「信州大実（しんしゅうおおみ）」という品種が有名で、果肉が厚く、加工に適した品種として評価されています。
収穫期になると、直売所や道の駅で生の杏やジャム、ドライフルーツが手に入ります。
7月 食材 杏の人気レシピ5選｜簡単アレンジで美味しさアップ
旬の杏は、そのまま食べるのも良いですが、ひと工夫することで保存期間が伸び、味のバリエーションも広がります。ここでは家庭でも簡単に作れる人気レシピを5つ紹介します。
● おすすめレシピ5選
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あんずジャム
杏と砂糖を煮詰めるだけ。ヨーグルトやパンにぴったりです。 -
甘露煮
砂糖と水でじっくり煮詰めた保存食。瓶詰めにして冷蔵保存もOK。 -
あんずゼリー
粉ゼラチンと果肉で、夏に嬉しい冷たいおやつが完成します。 -
杏タルト
市販のタルト台に杏ジャムやスライス杏をのせるだけでも本格派。 -
あんず酒
ホワイトリカーに氷砂糖と杏を漬けるだけ。2～3ヶ月後が飲みごろ。
特にジャムと甘露煮は、一度に大量の杏を処理できるため、旬の時期にまとめて作っておくと重宝します。
7月 食材 杏の保存方法と長持ちのコツ
杏は非常に傷みやすい果物ですので、保存方法を誤るとすぐに劣化してしまいます。
以下の方法で、できるだけ長く美味しさを保ちましょう。
● 杏の正しい保存法
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完熟のもの：ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存（2〜3日以内に消費）
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未熟なもの：常温で1～2日追熟 → その後冷蔵保存
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冷凍保存：種を取り半分にカットしてから冷凍 → 加工向け
ジャムや甘露煮にして保存するのが最も長持ちし、1年近く保存できることもあります。
旬の味を長く楽しみたい方には、加工しての保存がおすすめです。
まとめ｜7月の杏は今が食べどき！旬の味を楽しもう
杏は、見た目もかわいらしく、甘酸っぱい味わいと豊富な栄養を併せ持つ魅力的な果物です。
長野県を中心とした限られた地域で生産されており、まさに今しか味わえない「旬の味」と言えるでしょう。
歴史ある果物としての背景を知ると、日々の食卓もより豊かなものになります。
7月はぜひ、杏を使った手作りレシピや加工品で、その魅力を存分に味わってみてください。